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フリースタイルは1998年以来、スノーボードは初の金メダルを狙う:北京五輪プレビュー | Sportingnews

スポーツであり、カルチャーでもある。スピードや距離を争う伝統的なスキー種目に対して、エンターテインメントとしての華やかな側面と、エクストリームスポーツとしての厳しさを併せ持つ、自由で創造的な雪上競技。それこそがフリースタイルスキーであり、スノーボードなのだ。前者では堀島行真や川村あんり、後者では2大会銀メダルの平野歩夢や戸塚優斗、女子の小野光希が金を狙う。

競技概要:クールでホットな雪上競技

平昌五輪での苦い経験を超えて北京の表彰台を目指す堀島行真

フリースタイルスキーの中でも、1988年大会で『モーグル』がいち早く五輪種目の仲間入りを果たした。1998年長野五輪での里谷多英の金メダル獲得以来、日本でもすっかりおなじみだろう。競技会場に流れるリズミカルな音楽がカジュアルな印象を与えるが、実は急斜面に配置されたこぶを駆け下りる「ターン」、2本のアクロバチックな「エア」、さらには「スピード」と、3つの要素すべてを完璧に融合させねばならない極めてシビアな採点スポーツでもある。

北京五輪では、この『モーグル』を筆頭にフリースタイルスキーは全6種目で争われる。勢い良く空へ舞い上がり、宙返りを行う『エアリアル』に、凹凸やうねりが連続するコースを数選手で爆走する『スキークロス』。さらには『ハーフパイプ』『スロープスタイル』『ビッグエア』の、いわゆる「パーク&パイプ」と総称される3種目。

このパーク&パイプ3種は、スノーボードでも採用された。『ハーフパイプ』では文字通り「半分の巨大な管」を利用し、連続してエアトリックを繰り出すもの。『スロープスタイル』は斜面に設置されたボックス(土手)や、レール(手すり)をこなしつつ、大きなジャンプで締めるのなら、『ビッグエア』はとてつもなく大きなキッカー(ジャンプ台)から飛び出すことで、難度も危険度もとびきり高い技を一発繰り出す。

『スキークロス』と同様、『スノーボードクロス』もまた、熾烈な駆け引きとせめぎ合いに大興奮。この「クロス」が、1つのコースを数選手で同時に駆け下りて一等賞を決めるのに対して、スノーボードで唯一の「アルペン」種目、『パラレル大回転』は2つの並行したコースを同時に1人ずつ滑り降り勝敗を競う。2022年五輪スノーボードは全5種目。また『フリースタイルスキー・エアリアル』と『スノーボードクロス』の2種目は個人戦のほかに、男女混合の団体戦も行われる。

日本人メダル候補:モーグルとスノボハーフパイプで念願の金を

日本人五輪金メダリストの誕生の瞬間を見届けられるかもしれない。しかも1度とは言わず、何度も。もしも日本選手が優勝した場合、フリースタイルでは前述した1998年の里谷以来、スノーボードでは日本史上初めての快挙となる。

モーグル界のニュースターとなりそうな川村あんり

モーグルは男女同時金さえ夢ではない。国際スキー連盟の主催するワールドカップで、男子の堀島行真は、今季9試合を戦い3勝で6度の表彰台。4年前は重圧に負けたが、24歳で迎える2度目の五輪は緊張に負けない自信と経験を身に着けた。昨季のジュニア世界女王・川村あんりも、やはり3勝と勢いに乗る。特に今年に入ってからは優勝2回、表彰台2回。初めての五輪に向けて、17歳はピークを完全に合わせてきた。

スノーボード・ハーフパイプもまた、男女ともに複数メダルの可能性が極めて高い。もちろん、男子で優勝候補筆頭に名を挙げられるのは、過去2大会連続で銀メダルに終わった平野歩夢だ。

3度目の正直で金メダルを狙う平野歩夢

陸上から雪上へのスイッチは完璧。スケートボードで東京五輪を戦った後、すぐにスノーボードに飛び乗った。4年ぶりのワールドカップ参戦であっさり2勝し、その高い才能が一切色あせていないことを証明した。この1月には、エクストリームスポーツの祭典Xゲームで、前人未到・史上最高難度の技も披露。23歳で迎える夏冬合わせて4度目の五輪で、いよいよ一番美しい色のメダルをつかみ取りたい。

平野歩夢が夏季五輪に挑んでいる間に急成長を遂げた戸塚優斗

昨シーズン、ワールドカップ総合優勝に世界選手権優勝、Xゲーム制覇とすべてを勝ち取った戸塚優斗もまた、間違いなく金メダル候補のひとり。元ジュニア世界王者にしてユース五輪金メダリストの平野流佳や、歩夢の弟で、この1月に初出場Xゲームで3位に飛び込んだ平野海祝も、表彰台を狙える実力は十分に備えている。

ハーフパイプ女子は小野光希に期待。2018・19年にジュニア世界選を連覇し、17歳の今季は、猛烈なスピードで世界のトップを脅かす成長を続けている。また、冨田せな・るき姉妹も、姉はXゲーム初優勝、妹はワールドカップ初優勝と、五輪シーズンの躍進著しい。

また、4年前に13歳で史上最年少でXゲームを制し、世界を驚愕させた村瀬心椛が、スノーボード女子・ビッグエアとスロープスタイルで、新たな衝撃を巻き起こすだろう。ビッグエアで現役史上2番目に多いワールドカップ6勝を誇る岩渕麗楽も、平昌4位の悔しさを北京で晴らす。

◆海外強豪選手:超人ホワイトの引退パーティー

平野歩夢(左)とのライバル関係にも北京で区切りをつけるショーン・ホワイト

伝説級のチャンピオンであり、スノーボードカルチャーのカリスマといえば、間違いなくショーン・ホワイト(アメリカ)だ。

Xゲーム15勝、世界選手権4勝、そして五輪には4度出場し、金メダル3つ。約20年に渡って男子ハーフパイプ界の頂点に君臨してきた。しかし、今年で35歳。「誰もが僕を超人のように考えているかもしれないし、そういう人生を実際に送ってきたけれど、僕も人間なんだ」と本人が打ち明けるように、この北京五輪を最後に、競技の世界から引退する。

もちろん人生のラストランで、またしてもクレイジーなトリックを繰り出し、勝ち逃げを決めるつもりだ。ちなみにホワイトの予言によると、北京の優勝争いは、4年前に金色のメダルを争ったライバルたちである銀・平野歩夢と銅・スコッティ・ジェームズ(オーストラリア)、さらには戸塚優斗との四つ巴になる。

精神的な壁を乗り越えて再び頂点を目指すクロエ・キム

21歳のクロエ・キム(アメリカ)は、スノーボード女子ハーフパイプ界で絶対的な強さを誇る。「正直に言って、私が唯一上手に出来ることはスノーボードだけなんです」と本人は謙虚に語っているが、上手く出来るどころではない!

14歳で、当時のXゲーム史上最年少優勝記録を塗り替え、早くも6勝を手に入れた。2018年平昌五輪で金メダルを手にして以来、途中で故障や学業によるキャリア中断を挟みながらも、国際スキー連盟管轄のレースは世界選手権2勝を含み全勝。ありとあらゆるレースを含めても、2019年3月以来、1つも負けていない。キムは連勝記録を果たしてどこまで延ばしてしまうだろうか。

一挙に複数メダルを取ってしまいそうなのが、フリースタイルスキーの18歳グゥー・アイリン(中国)。2年前のユース五輪では、ハーフパイプとビッグエアを制した。1年前のXゲームではハーフパイプとスロープスタイルで頂点を獲った。直後にはやはりハーフパイプとスロープスタイルで世界チャンピオンになり、今季ワールドカップではハーフパイプ4勝、ビッグエア1勝。つまり開催国の中国に、3種目とも金をもたらす可能性さえ秘めている。

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