日本でのゲーム

【特集】オタクなCEOが目指したポータブルゲーム機の究極形が「AYA NEO」。Uncle Tail氏を訪ねる – PC Watch

新CEOのUncle Tail氏

 CPUにRyzenを搭載した7型ポータブル「AYA NEO」がこの秋、いよいよ日本に上陸する。AYA NEOは2020年に中国で発表され、2020年初にIndiegogoでクラウドファンディングをスタートさせたが、5月に急遽CEOが“Uncle A”氏から“Uncle Tail”氏交代。この際に採用部品などを一新し、Ryzen 7 4800Uも新たに用意し、「AYA NEO 2021」として再スタートを切ることとなった。

 AYA NEOは初めてのRyzen搭載ポータブルゲーム機として大きく話題を集めたのだが、初代ではいくつかの弱点があった。Uncle Tail氏は実際に初代のユーザーだったのだが、これらの弱点を見いだして改善を申し出たところ、AYA NEOのブランドとその事業ごと受け継ぐことになったのだという。

 なぜUncle Tail氏は、いちユーザーから突如CEOへと転身したのか。また、同氏の製品やブランドに対する思いは何なのか。今回、国内代理店の協力を得て同氏にインタビューするという貴重な機会を得た。

超ハードコアゲーマーなCEO

--:AYA NEOというのはとても若い会社ですね。まだ知らない読者のために、設立した経緯や事業内容について教えて下さい。

Uncle Tail:AYA NEOは、ポータブルでAAAゲームタイトルをプレイしたいゲーマーのために設立された会社です。創設者であるUncle A氏は当初、レゴブロックとエンジニアリング基板を使い、最初の製品を作り上げました。その後中国の動画サイトBilibiliで大きな反響と注目を浴び、1年の研究開発を経て、初代AYA NEOを完成させました。AMDアーキテクチャを採用し、性能とポータビリティにおいて完璧なバランスを実現しました。

 AYA NEOは発表されてから、中国に続いて、全世界でクラウドファンディングを行ない、数千万人民元という出資を募りました。これまでに3,000台近い出荷を達成しています。さらに、世界各地からの予約--この中には日本も含まれますが--も頂いており、この出荷に向けてさらなる準備と努力をしているところです。

 社内には現在30人おりますが、その多くはゲーマーで、ともに理想のポータブルデバイスの実現に向けて日々努力しています。

AYA NEOのオフィス

--:5月に、Uncle A氏から職位を引き継いだわけですが、ご自身についても紹介していただけますか。

Uncle Tail:大学卒業後、10年間かけて2つの企業を創設してきました、中国国内でデジタルコンシューマ向けの企業と、電気自動車関連の企業を運営しています。

 私も多くの読者と同じように、熱狂的なゲーマーであり、なおかつポータブルデバイス好きなユーザーでもあります。高校生の時には、既に中国最大のeスポーツ関連の雑誌で、ポータブルゲーム機について紹介するコラムを執筆していました。大学時代にはゲーム情報を扱うサイトを開いたほか、ゲームの中国語化チームにも携わった経歴があります。

 私はとにかくポータブルゲーム機が好きです。市場で買えるほとんどのポータブルゲーム機を所有しているほか、任天堂とソニーのすべてのポータブルゲーム機を持っています。ワンダースワン、ワンダースワンカラー、ネオジオポケット、ネオジオポケットカラーといった、中国では非常に珍しい機種もコレクションしていて、大好きです(編集部注:同氏のオフィスにダンボールで、きれいに大量保管されていました)。

 今は、「ゲーマー」と「AYA NEOのCEO」という2つの職業を兼任しています。この“兼任”によって、ポータブルゲーム機に対する理解をAYA NEOというブランドの管理の中に取り入れることができると考えています。ゲーマーとして、我々のユーザーにゲーム愛好者のためにデザインされた製品であることを保証でき、企業家としては、これまで長年の企業管理の経験を活かし、AYA NEOを最高のWindowsポータブルゲーム機ブランドとして育てることができるのではないかと思っています。

--:ご自身がハードコアゲーマーだということで、個人的なことへの質問にはなりますが、どのようなゲームをプレイしてますか。

Uncle Tail:おそらく中国の多くのゲーマーと同じように、ファミコンからはじめました。まだ小学校の頃ですね。その頃は「スーパーマリオ」に没頭してました。もちろん、いまでもNintendo Switch上でスーパーマリオに没頭してます(笑)。こうしたシンプルなルールのゲームゆえの奥深さや魅力を発見するのが好きなんです。

 美術的な観点から言えば、アーケード版の「メタルスラッグ」が好きですね。リリースされてから数十年が経ちますが、依然としてドット絵としての美しさに心惹かれます。

 仕組みを理解すれば容易に上達できる「ファイアエムブレム」、「オウガバトルサーガ」、「ファイナルファンタジータクティクス」のような戦略ゲームも好きです。このほか「OUTRUN」、「パワースマッシュ」、「ストリートファイター」、「King of Fighters」などもハマりましたね。

 レトロゲームばかり話してしまいましたが、AYA NEOでプレイしているゲームを挙げると、高い芸術センスを評価したい「DIRT 5」、ドット絵のような表現の「Broforce」、独特な世界観の自転車レース「Lonely Mountains Downhill」などが好きですね。

ゲームが大好きだというUncle Tail氏。中でもレースゲームが好きのようだ

--:なぜAYA NEOを引き継ごうと思ったのですか。

Uncle Tail:先程述べた通り、私はポータブルゲーム機のヘビーユーザーですが、私の人生の中で一番長い時間寄り添ってくれたのは、さまざまなポータブルデバイスだったからです。

 Windows CEやPalm、BlackBerryといったハンドヘルドコンピュータは、こんにちスマートフォンとしての進化を遂げました。一方でポータブルゲーム機については、初代ゲームボーイからNintendo Switchまで遊んできました。これだけポータブルゲーム機に対して熱愛している私が、自分のためのポータブルゲーム機を設計できる機会に巡り会え、これまでの知見を投入できるのは、感動的だったので、受け継ぐことを決心しました。

 つまりポータブルゲーム機に対する熱愛が、AYA NEOを買収した原因の1つですね。

 もう1つですが、Windowsポータブル機が登場してから数年が経ちますが、未だに私のニーズを満たしてくれるデバイスがなかったからです。AYA NEOの登場は、私がかつて欲しかったものを具現化し、ほかのブランドにはない特徴を持っているということを認識させてくれました。CEOに就任してブランドと製品を段階的に改善していこうと思ったのです。

 もちろん、ビジネスという観点でも、Windowsポータブルデバイスの発展に期待していますし、多くのリソースと優れた成績を上げていましたので、この業界に一身を投じようと思ったのです。

--:まさに大きな決断で、人生の転機ですね。

Uncle Tail:ポータブルゲーム機好きが、ポータブルゲーム機を作る会社のCEOになる。まさに趣味ですよね。

 私自身はもともと「AYA NEO Founders Edition」のユーザーでした。それを使っていく段階で見出した欠点を、当時のCEOに伝え、改善を求めたことが始まりでした。数回交流していくうちに、当時のCEOは私こそがこのプロジェクトに未来をもたらしてくれるものだと確信し、事業買収を提案してくれました。

 会社を引き継いでから、もしかしたら私の過去の努力は、この(買収の)瞬間のためにあったのではないか気づきました。

 つまり、私のそれまでの創業の経験、ポータブルゲーム機に対する知見、ブランドの運営のノウハウと理解、蓄積されたリソースなどは、すべてAYA NEOをより良くするためにあったんだと。

 「凡心所向、素履所往、生如逆旅、一葦以航」ですね(意訳:行きたいところには、わらじを履いてたとしても行く。生命は逆行の旅で、例え船がアシの葉1枚だったとしても出航しなければならない)。

 こんにち、AYA NEOの状況は悪くありません。むしろ多くの優位性があります。ポータブルデバイスへのニーズの高まりに対し、これからは私が持つすべての精力を投入し、努力していきたい所存です。

AYA NEOと歴代ゲーム機

AMDの強力なサポートでついに実現したRyzen搭載機

--:競合はいずれもビジネスとゲームという「二刀流」で製品展開していますが、AYA NEOの立場はどうでしょう。

Uncle Tail:「ビジネス」というのは企業としての基本属性です。しかし製品を作る段階で、「ビジネス」という属性だけに注力すると、消費者のニーズからかけ離れてしまいます。

 正直なところ、私は市場にある多くの競合製品は、設計段階から、ゲーマーの実際の使い勝手を考慮しているとは思えません。一部製品はポータブルゲーム機としてコントローラの操作性と快適性を追求しておらず、スペックを追い求めるばかり、ポータブルゲーム機としてのバランスが取れていません。これらは微妙で些細なことだと思われるかもしれませんが、製品に対しての本当の「愛」がないと、これらの問題点を見つけ出せず、使いやすいデバイスに仕上げることができません。

 例えば、ハードウェアとしては、ディスプレイの解像度はどのぐらいがいいのか? キーにはどのぐらいの力で動作するドームスイッチを採用すべきか? メンブレンの方が優れているのではないか? 十字キーはどこに配置すれば格闘ゲームでより簡単に必殺技が出せるのか? ABXYボタンと右のアナログパッドの位置関係は? アナログトリガーの配置とグリップをどこに設けたらゲーマーは長時間プレイでも手が疲れないのか? といったところです。

 ソフトウェアも同様に重要です。Windowsはそもそも小型のポータブルデバイス向けにUIを設計いません。そのため、どうすればユーザーはストレスなくデバイスとインタラクトできるのか? これらの問題に対し、既存製品は満足行く解決策を提示できていません。

 いちゲーマーとして、AYA NEOとほかの競合の違いは「製品力」にあると認識しています。我々のチームは皆熱狂的なゲーマーです。ゲーマーのニーズを理解しているため、ゲーマーにニーズに合致したデザインを実現しており、ほかのブランドでは考慮されていないようなディテールにまでこだわっています。また、究極な性能と最新の技術、ゲーム体験を兼ね備えた製品を目指しています。

 「サービス」も重要だと考えています。一部製品のサービスのレベルは初期段階に留まっています。ゲーマーがサービスに対しても高いレベルを求めていることも、良く知っています。AYA NEOは将来、サービスにおいても安心感を提供したいと思っております。

 いずれにしても、ポータブルWindowsゲーム機市場に、より良い製品とサービスを提供できるAYA NEOの参入は、この市場に大きな変化をもたらし、この市場の競争をより熾烈なものにさせることでしょう。

--:AYA NEOはなぜスレート型のゲーム機になりましたか。クラムシェルといった形態は考慮しなかったのでしょうか。

Uncle Tail:先述の通り、私はポータブルゲーム機の熱狂的なファンです。数百種類に渡るポータブルゲーム機をプレイしてきた経験から、唯一の結論を導き出しました。スレート型は最高のフォームファクタであるということです。ほかにはありません。

 任天堂のポータブルゲーム機の中で、私がもっとも好きなのは「ゲームボーイアドバンス」ですが、スレート型です。ソニーの中で一番良く売れたポータブルゲーム機の「PSP」も同様にスレート型です。こんにち、ワールドワイドで8,000万台の出荷を記録したNintendo Switchもまたスレート型です。

 スレート型のポータブルゲーム機は、すぐにゲームの世界に入ることができ、操作性にも優れています。そのため第1弾製品もスレート型を選択しました。この形は消費者にも受け入れられています。

 とはいえ、クラムシェルを否定しているわけではありません。「Nintendo DS」といったゲーム機もクラムシェルで大きな成功を収めています。ただ、現在市場の主流であるスレート型と比較して、使い勝手に大きな差が存在しています。

 多くのゲーマーは純粋なゲーム機が欲しいのであって、Windowsを搭載したミニPCにゲームコントローラがおまけとしてついてくるような形態を望んでいないのではないでしょうか。

 とはいえ、AYA NEOが将来クラムシェルを出すことを否定しているわけではありません。ただ、もし出すとしたら、さらに時間をかけて、よりよいクラムシェルデバイスを設計する必要があると思っています。将来的には面白い方向性の話題だと思います。

--:ゲーム機という意味では、Androidのような選択肢もあったかと思いますが、なぜWindowsを選んだのでしょうか。

Uncle Tail:Androidも私が好きな方向性です。実は自作したAndroidポータブルデバイスなどもあって、友人とともに、高性能なAndroidスマートフォン(Snapdragon 888搭載モデルなど)をスレート型のポータブルゲーム機に改造してたりするんです。Android向けのエミュレータも動作しますので、4:3や3:2といったアスペクト比の液晶を搭載して、アーケードや8/16bitのレトロゲームをより快適に動かして遊んだりしてます。

 しかしAndroidデバイスは制限も大きいです。例えば性能面ではWindowsの方が圧倒的に有利で、AYA NEO最新版ではRyzen 5 4500U、メモリ16GB、1TB SSDといったスペックを搭載していますが、Androidでは非現実的です。「Grand Theft Auto V」や「Witcher 3」、「Forza Horizon 4」といったAAAタイトルは、Androidではプレイできません。仮にAndroidデバイスでプレイしようとすると、リモートプレイしかないでしょう。

 また、Windowsではより強力なエミュレータを実現できます。例えばAndroidではPlayStation 2クラスのエミュレーションが上限ですが、AYA NEOであればPlayStation 3のゲームの多くを60fpsでプレイできます。

 もちろん、Windowsのエコシステム自体がやはり魅力的でしょう。さまざまなゲームやソフトウェアが動作するだけでなく、SteamやEpic、GOGといったゲーム配信プラットフォームを自由にインストールできます。

 そして、AYA NEOを“高性能なPC”として使うユーザーもいくらばかりかいることでしょう。ビジネスや教育分野でも活用できます。

--:これまでRyzenを搭載したポータブルゲーム機はなかなか実現できませんでした。なぜAYA NEOはあえてそれに挑戦しようと思ったのでしょうか。

Uncle Tail:IntelアーキテクチャをポータブルWindowsゲーム機にしようとした際に、多くの課題があり、AMDではうまく解決できました。例えば消費電力では、AYA NEO 2021は5~15Wの間でリアルタイムにTDPを調整でき、最長5時間の動作を実現できます。

 また、Intel内蔵GPUでは新しいゲーム古いゲーム問わず、互換性も課題で、ドライバの対応を待つ必要があります。一方でAMDのGPUドライバは比較的成熟しており、ユーザーは互換性で悩まされるケースは少ないです。

--:Ryzen搭載の実現ではさまざまな壁があったと思いますが、特に苦労した点はありますか。

Uncle Tail:いくら困難でも、人の「やる気」には勝てませんよ(笑)。AYA NEOが実現できた以前に「SMACH Z」のプロジェクトがありました。こちらは延期に延期を重ね、最後は挫折したため、消費者は我々に対しても疑いの目で見るようになりました。それでも我々はAYA NEOの開発に成功しています。

 この過程の中で、私はAMDの強力なサポートに感謝したいと思っています。我々はスムーズかつ迅速にAYA NEO 2021の開発を行なえたからです。本製品は史上初となるAPU搭載のWindowsポータブルゲーム機で、新しいマイルストーンを築けたことでしょう。

ゲーマーだからこそ実現した、細部まで魂がこもった製品

--:競合にはないAYA NEOならではの特徴を教えてください。

Uncle Tail:まず、AYA NEOは優れたバランスを実現しています。それはRyzen 5 4500Uと7型の1,280×800ドット液晶という組み合わせでしょう。小さな液晶を搭載している競合と比べて高い没入感を実現できる一方で、高解像度な液晶を搭載した競合と比べると(解像度向上に伴う)性能上の制限は少なく、ベストな効果が得られます。温度のコントロールにおいてもAYA NEO 2021は優れたパフォーマンスを実現しています。

 もちろん、市場で唯一のAMD搭載Windowsポータブルゲーム機ですので、ゲームの互換性という意味では唯一無二でしょう。さらに、手に持った時の感覚も、(Nintendo Switchのような)ポータブルゲーム機にもっとも近いです。これは実際に操作してみないとわからない点でしょう。

 ただ、私が今回強調したいのは、我々が提供している「AYA Space」というソフトウェアです。AYA Spaceは多くの資金と人員リソースを投入し開発されたソフトウェアで、まったく新しいWindowsポータブルゲーム機体験をユーザーにもたらします。これにより、競合ブランドとの差別化を図り、AYA NEOユーザーに最適なゲーム管理機能、および設定機能を提供していこうと思っています。AYA Space上で我々独自のエコシステムを構築していこうと思ってます。

 AYA Spaceの発表は、「Windowsポータブルゲーム機が“2.0”時代に突入する」と言っても過言ではないと思っています。競合は、まだこのような準備をしていない段階のようですが(笑)。

--:つまり、スペックに現れないところにもこだわりがあると。

Uncle Tail:はい、個人的に以下の3つのポイントが非常に重要だと考えています。しかもこれらのいずれのポイントも無視されやすく、数値で定量化できないと思ってます。

 1つ目はポータブルゲーム機として、ゲームをプレイする時の手にした時の感触、それから持ち運びやすさなどです。AYA NEO 2021は競合と比べて「よりポータブルゲーム機らしい」わけです。もちろん、一般的なポータブルゲーム機と比べると大きいのですが、ゲームボーイアドバンスやPSP、Nintendo Switchの流れを汲む伝統的なスレート型ゲーム機だと言えます。

 我々はゲーム機としての外観、携帯性、性能といったバランスだけでなく、誰がどう見てもゲーム機だ、という直感を追求しました。AYA NEOは、ゲーマーがかつて慣れ親しんできたゲーム機と同様にゲームがプレイできる--これはもっとも重要な要素です。

 将来的にもこのフォームファクタの設計に巨額な投資をする予定ですし、専門のチームを立てて、研究もして行く予定です。我々の開発チームは全員ゲーマーの集まりですので、競合と比べて優位だと考えています。

 2つ目はゲーム互換性です。ゲーム機を買うユーザーがやることは当然ゲームのプレイです。例えゲーム性能が数fps高かかったとしても、購入後にドライバや画質設定を細かくカスタマイズしてようやくゲームがプレイできるというのは、ユーザーにとってあまりいい体験とは言えません。AYA NEOに採用されているAPU内蔵GPUは、Intel CPU内蔵GPUと比べてゲーム互換性で有利なので、一般ユーザーにとってより魅力的だと思っています。

 3つ目は先ほど述べたソフトウェアのエコシステムです。ソフトウェアは平たく言えばサービスの一環なのですが、これまで競合は投資してこなかったところです。特に初めて購入する人には無視されがちなポイントでもありますが、Windowsポータブルゲーム機を使い始めると、時間をかけてさまざまな設定を行なわなければならないことに気づき始めることでしょう。特に、ゲームの管理はサードパーティーのソフトウェアが必要だったりします。

 最終的には、ユーザーがAYA NEOを購入した後に、Nintendo Switchと同じようなエクスペリエンスが実現できることに期待してます。つまり、ゲームに集中できるポータブルゲーム機そのものであるということです。そのための投資を続けているのです。

 これらのAYA NEOの特徴はスペックには書かれることはないでしょうが、いずれも重要なポイントです。これは一企業が、本当にユーザーのことを考えているかどうかの現れでもあると言えるでしょう。

--:AYA NEO 2021も、旧モデルと比べてさまざまな点で改善されていますね。その意図と内容について教えて下さい。

Uncle Tail:言っても信じられないでしょうが、私個人的な不満からです。例えば私はレースゲームが好きなのですが、AYA NEOはアナログトリガーではないので体験があまりよくありませんでした。ボタンはドームスイッチなのですが、私はメンブレンの方が好きです。ボタンの刻印は印刷されていますが、印字が剥げてしまうため、時間とコストをかけて型から再設計し、2色形成としました。ファーストロットは音もかなり小さかったので、チームにスピーカーの配置について研究させ、チャンバーを設けることができました。

 そのほか小さなところもかなり改良を加えていますが、私自身がユーザーとして実際に使って、不足や欠点を見出しました。それら不満点に対しリソースを投入し、改善に務めました。

 つまり、より良いデバイスを手にしたいという思いと、その機会と権力があるからこそ改善を実現できたんだと思います。これはAYA NEOを手にしたユーザーも同じ思いでしょう。常に初心に立ち返って、製品を完成させていく。これは将来ユーザーに支持されることでしょう。

 これらの改善には約100万人民元(約1,700万円)投じる見込みです。しかも、既にご購入頂いた方には無償でAYA NEO 2021へのアップグレードを約束しており、最初期のFounders Edition購入者には部品代のみでのアップグレードサービスも提供する予定ですので、さらなる投資も必要でしょうが、これらの手厚いサービスも、AYA NEOならではの特色になるのではないかと思っています。

 ちなみにAYA NEO 2021では、Ryzen 7 4800Uを搭載したモデルも用意し、より高い性能を提供していきます。さらに独自要素も盛り込み、製品としての魅力を高めたいと思っています。AYA NEO 2021が完成した後は、第2世代製品の開発に注力していく所存です。

目指すはWindowsポータブルゲーム機の任天堂?

--:ゲーマーの視点から見て、いまWindowsポータブルゲーム機の市場はどのような状態にあるとお考えですか。

Uncle Tail:ポータブルWindowsゲーム機はまだまだ初期の段階にあると言えるでしょう。まだニッチな市場です。しかし、AYA NEOの参入により、これから大きな変化が見られるでしょう。我々からより強い競争力を持った製品が投入されれば、これまでとは違う形で、影響力がもたらされるでしょう。

 あるいは、大手の参入もあるかもしれません。中国のTencentを始め、Steamもポータブルゲーム機を予定しています。よって将来の市場競争は、今とはまったく異なります。老舗とは熾烈な競争が繰り広げられ、同時にユニークなデバイスが登場するのではないでしょうか。

 ゲーマーとしてはこれ以上に嬉しいことはありません。ゲーマーとしてはより良い製品を手にしたいからです。競争がなければ、より良いブランドや、良い製品やよりは生まれません。無理強いされて仕方なく製品を出すようなビジネスモデルでは、ブランドに対するユーザーの情熱が削がれるだけです。

 私はすべてのWindowsポータブルゲーム機を体験してきました。AYA NEOは競合を分析し、より魅力的なデバイスになるように仕上げていますが、モノとしての良し悪しの判断は、エンドユーザーに任せるべきでしょう。メーカーとしては、ユーザーの声を真摯に受け止め、満足するまでサービスを提供し続けることが重要だと思います。それでこそユーザーから尊敬されるブランドになるのではないでしょうか。

--:AYA NEOもそのようなブランドへと育てていきたいと。

Uncle Tail:ええ。私はずっと日本の匠の精神を尊敬していますが、AYA NEOも、日本の匠のように、技に磨き続けていきたいと思っています。これによって製品力を高め、ユーザーから認められるブランドにしていきたいです。

 サービスというのも、ブランドを構成する要素の基本だと思っています。そのため、AYA NEOはサービスの充実に注力していき、ユーザー各々が満足いくものにしていきたいですね。

 ユーザーのための製品であるということは、割引セールやマーケティング、著名人の起用だけでなく、優れた製品自身をもって証明しなければなりません。AYA NEOは高性能Windowsポータブルゲーム機をベースとしつつ、より多くのユーザーに優れたポータブルゲーム機としての体験を提供させたいと思ってます。例えば、スムーズにAAAタイトルがプレイできる環境を提供することなどです。ゲーマーは、我々の製品を通して感動が得られれば幸いだと思ってます。

 これらの価値観は、いずれもゲーマーの立場から得られたものです。私が尊敬する企業の1つに、日本の任天堂があります。私のゲーマーとしての人生は、すべて任天堂からの影響を受けています。AYA NEOの成長の過程で、任天堂から多くを学び、ゲーマーに対して喜びを提供するために努力していきたいですね。

--:最後に日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。

Uncle Tail:日本市場に正式参入する以前より、日本のユーザーからIndiegogo経由で出資を受け、一般ユーザーに先立ってAYA NEOをご体験いただきました。近い将来、日本において代理店契約を結び、より多くのユーザーにいち早くAYA NEO製品を入手してもらい、Windowsポータブルゲーム機の面白さを実感していただきたいです。

 今後もいちゲーマーとして製品を定義していきます。ソーシャルメディアで理想のポータブルゲーム機を発信していくエンスージアストが多くいらっしゃいますが、彼らと同様に我々も、我々が考える製品とその未来をシェアしていきたいと思います。

 同時に、あなたの友人だと思って、私と交流を続けてください。きっと同じ少年時代を過ごし、同じような思い出を持っていることに共感できるはずです。「ドラゴンクエスト」でも「ポケモン」でも「悪魔城ドラキュラ」でも話題を振ってください。セガのこと、PSP、ニンテンドー64、ゲームボーイ、アーケードゲーム機のこと……なんでも大丈夫です。アニメだと「ハイスコアガール」の話を始めたら、3日間は話が続くことでしょう。

 機会があれば、また日本を訪れ、ゲーセンでゲームをしたり、新型ゲーム機を購入するために深夜から並んだり、中古やジャンク屋で宝物を探してみたいです。

 AYA NEOの最終目標は、世界で一番いいWindowsポータブルゲーム機を作るブランドの実現です。これに時間をかけて証明していきたいです。


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