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「ディアブロ IV」のテーマは“憎悪”。オープンワールドになった世界はどのように進化したのか,プレゼンやインタビューの情報をお届けしよう


 制作発表が行われてから早や3年。Blizzard EntertainmentによるアクションRPG金字塔の最新作「ディアブロ IV」(PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One)の開発が,いよいよ最終局面を迎えているようだ。
 邪悪な存在がオープンワールド化したサンクチュアリを憎悪で包み込むという,ダークファンタジーに立ち返った本作について,メディア向けのプレゼンテーションやインタビューセッションが行われたので,そこから得られた情報をまとめていこう。

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[プレイレポ]「ディアブロIV」は,スキルツリーの復活や新システムでよりディープにキャラクターをカスタマイズできる


 Blizzard Entertainmentが2023年の発売を予定している「ディアブロIV」の,メディア向けプレビューイベントが行われた。先行プレイバージョンで,広大なフィールドに散らばるさまざまなクエストや,スキルポイントの割り振りによるキャラクターのカスタマイズ,新システムによる戦闘などを体験できたので,その模様をお伝えしていこう。


[2022/12/08 01:00]

ダークファンタジーに立ち返ったディアブロ・ワールド

 メディア向けプレゼンテーションにて,「ダークファンタジーへの回帰」(Return to Darkness)を訴えたのが,ゲームディレクターのJoe Shely(ジョー・シェリー)氏だ。「ディアブロ III」では明るい色調のアートスタイルが批判を受けていたこともあり,「ディアブロ II」を意識した血みどろでおぞましい雰囲気が強調されている。

 それでいて「物理ベースレンダリング」(PBR/Physic-Based Rendering)を採用するなど(関連記事),グラフィックスはアップデートされており,単に暗がりが多いだけではない,凍て付く寒さを感じさせられる山岳地帯から,ゴシック風の不気味な石造物,洞窟の内部や不気味な触手のヌメヌメ感,戦闘の爆風やキャラクターの移動によって揺れる草木に至るまで,以前のダークファンタジーを尊重しつつ,新鮮さを加えたアートスタイルに仕上げている。

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 Shely氏によると,「ディアブロ IV」を開発するうえで,開発チームが大切にしてきたシリーズの要素が「心を掴むようなストーリー」「伝統が築き上げてきた壮大なゲーム世界」「かつてないほど幅広く,奥深いキャラクターのビルドやカスタマイズシステム」,そして「プレイヤーが戦い続けたくなるようなレジェンダリーの装備品やエピックなバトル」の4つとなる。
 これらがうまく合わさることで,「ディアブロ IV」一番のウリとなる「自分だけの遊び方」が形成されていくのだという。

 ゲームのメインテーマは「憎悪」(Hatred)だ。本作に登場するさまざまなキャラクターだけでなく,サンクチュアリそのものが憎悪に飲み込まれており,そんな悲惨な物語と結末を,プレイヤーは体験していくことになる。Shely氏は「皆さんが,お子さんと一緒にプレイするようなゲームではありません」と語るように,おそらく「ディアブロ III」のレーティングだった「17歳以上」(ESRB-M / CERO-D)のギリギリを攻めるようなゲームに仕上げてくると思われる。

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「ディアブロ IV」のストーリーはどんなものに?

 「ディアブロ III IV」のストーリーの詳細について,これまでに知られている設定では「ディアブロ III」から数十年後の世界が舞台になる。

 ブラックソウルストーンが破壊され,三大魔王の「ディアブロ」「バール」「メフィスト」および,堕天使のマルサエルを葬り去った激しい闘争の代償として,世界は暗黒時代に突入した。サンクチュアリに住む人々は極限の荒廃の中での暮らしを余儀なくされている。
 そんな中,“古代の邪悪な存在”がサンクチュアリに新たな脅威を与え始め,もはや希望を失った人々の間で憎悪だけが増幅されつつあるというバックストーリーだ。

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 この“古代の邪悪な存在”は,すでに以前の情報から知られているように,ほかでもない“憎悪の娘リリス”のことだ。リリスはメフィストの娘でありながら,永遠に続く天界と魔界の戦争に嫌気がさし,大天使のイナリウスと共に駆け落ちする形で,双方から影響を受けない聖域であるサンクチュアリを作り出した。
 やがて,そこから生まれたのが半神半人としてさまざまな種族やクラスの始祖になった“ナファレム”の第1世代である“エインシェンツ”であり,その子孫が世代をとおして徐々に能力を失っていくことで“人間”になった。
 この神話的世界観については,過去に「奥谷海人のAccess Accepted第345回:ついに発売された「ディアブロ III」。シリーズの物語を覗いてみよう」で解説しているので,気になる人は読み返してほしい。

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Access Accepted第345回:ついに発売された「Diablo III」。シリーズの物語を覗いてみよう


 北米時間の2012年5月15日,ついにリリースされた「Diablo III」。2000年に発売された「Diablo II」以来,実に12年ぶりとなる最新作だが,それだけに前作をプレイしたことがないという人も多そうだ。今回は,そんな人のためにDiabloの世界観をざっくり紹介しよう。そもそもDiabloってどんな存在なの? という人はぜひどうぞ。


[2012/05/21 12:00]

 ともかく,このリリスはイナリウスと共にサンクチュアリの創造主でありながら,その終焉のために牙をむき始めたというのが「ディアブロ IV」である。上記の連載記事でも紹介しているように,ナファレムの能力の撲滅を望んだイナリウスと,天界と魔界に対抗できるだけの第三勢力に育てようとしたリリスは対立を深めることとなるが,これまでリリスはイナリウスによってその能力を大きく削がれており,イナリウス自身も魔界に長らく幽閉されていた。

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 過去に公開されたトレイラーでは,このリリスを復活させたのが2人の第一子である“ネクロマンサーの始祖ラズマ”であるとされる。事実,「ディアブロ IV」ではフラクチャード・ピークス(ラズマの聖地)から第1章がスタートし,さらにスコスグレン(ドルイドの本拠),そしてドライ・ステップス(人間文明の発祥地)など,サンクチュアリ東北部が主な舞台となることが知られている。つまり本作では,こうしたディアブロ・ワールドの原点に立ち返って,創造主および,エインシェンツの物語が深堀りされることに期待できそうだ。

オープンワールド化による新しくなったゲームシステム

 メディア向けにリリースされた「ディアブロ IV」のデモビルドは,フラクチャード・ピークスという8つほどのセクションからなるエリアをプレイできるもので,バーバリアン,ローグ,そしてソーサレスの3つのキャラクタークラスからLv25までのビルトを比較的自由に楽しめた。

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 その詳細については,別記事のプレイレポートで紹介する予定となるが,それぞれのクラスのスキルに用意された2つずつのスキル・アップグレードという新しいシステムや,以前に見つけた装備をキャラクターアートとしてキープできるなど細かく作り込まれたカスタマイゼーション機能,さらには個々の武器装備を鍛冶屋がアップグレードすることで長持ちさせてくれるだけでなく,特定クラスのスキルを強化するレジェンダリーアイテムの効能といったルートシステムも目新しい。
 「プレイヤーの持つクラスファンタジー(例えば,ローグは第1作め以来の弓矢使いで,トラップ系スキルに特化すべき,といったプレイヤー個人の思い入れ)」をかなり意識して,開発やバランス調整が行われてきたのがうかがえた。

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 このことについて,メディア向けの合同インタビューにて,アソシエイト・ゲームディレクターのJoseph Piepiora(ジョセフ・パイピオラ)氏は,古参のプレイヤーと,本作からプレイを開始する新規プレイヤーの双方が満足できるアクションRPGにするため,それぞれのディアブロ体験で特定のファンタジーを自己表現できるよう,開発チームが多くの時間を費やしてきたことを強調する。
 ゲームとしての深みを失わないまま,新しいプレイヤーが戸惑わないようなゲーム作りに専念しており,そのことについてPiepiora氏は「期待どおりの良い仕事になっている」と自信をのぞかせていた。

 「ディアブロ IV」は,PlayStationおよびXbox,PC版で同時に発売されるが,クロスプレイやクロスプログレッション,そして前作でも好評だったオフラインCo-opモードにも対応している。また,今回のデモでは用意されていなかったが,マウント(馬)などの新しい要素も少なくない。さらに,「ディアブロ イモータル」にもあった,マップを探索中に突然発生するワールドイベントなどをフィーチャーするなど,面白い部分は精力的にチューンアップさせているといった様子だ。

 今回の合同インタビューにおいては,Piepiora氏と共にリード・ゲームデザイナーのZavin Haroutunian(ザヴィン・ハルートゥニアン)氏がいろいろと質問に答えてくれているが,ゲームシステム面に関して,ここでは興味深かった部分を列挙しておきたい。

・オープンワールド型になったことで,プレイヤーのレベルアップに乗じて,全マップでモンスターのレベルも上昇する。

・サンクチュアリ中に,ダンジョンは120種点在する。ダンジョンはプレイヤーが手動でリセットすることが可能。

・大金を落とす“トレジャー・ゴブリン”に似た“ブッチャー”がマップ中にランダムに出現する。非常に強力なパワーと体力を持つブッチャーが,自分が倒れるかプレイヤーが先に倒れるまで,生肉を求めて追いかけてくる。

・モンスターのタイプによって,ドロップアイテムの種類が変わる。例えばゾンビ系統であればジュエリーを落としやすく,スケルトンならブーツを落としやすいので,以前より欲しいアイテムを探しやすくなった。

エンドゲームに関する情報まとめ

 「ディアブロ IV」が継続したライブサービスへと成長していくうえで欠かせないのが,エンドゲームやシーズン制だろう。こうした詳細については,まだ日本語にはローカライズされていないので名称が変わっていく可能性はあるが,すでに9月19日の公式ブログのエントリーにて,その詳細はある程度紹介されている。

○Helltide

 「Helltide」は,プレイヤーが“ワールド・ティア 3: ナイトメア”の難度に達した時点でアンロックされるもので,ランダムイベントとしてサンクチュアリの各地で発生する。その地域内にいるモンスターが強力になる分,さらに強力なルート(アイテム)を獲得できるようになるという。また,「Cinders」というイベントで出現するチェストを開くための専用コインも入手できるが,自身がキルされた場合はCindersを失ってしまうので,溜め込むのは注意が必要となるだろう。
 “ワールド・ティア”という難度についての仕組みは不明だが,少なくても5段階まで存在する様子だ。

○Nightmare Dungeons

 ナイトメア難度を持つダンジョンは,“Nightmare Sigil”という紋章(カギのようなものと推定)を発見した時点でアンロックされる。ダンジョンは,紋章のタイプに合わせた異なる属性が加味され,より高確率でレアアイテムがドロップするようになる。このダンジョンをコンプリートした時点で,さらに難度が高められた新しい紋章を獲得でき,ワールド・ティアを挙げて,さらなるレアアイテムを求めてプレイできる。

○Whispers of the Dead

 「死者の囁き」という名称を持つこのイベントは,“囁きの樹”という場所に出現する,死者が解決を望む問題に対処していくというバウンティだ。ある時点で,サンクチュアリ中に散らばる囁きの樹の在処をマップで確認できるようになるという。
 1つのイベント遂行で1つの“Grim Favor”(悲しき親切)というアイテムを死者たちから得られ,それを10個集めることにより,ルートや経験値に変換できる。“囁き”イベントの種類は頻繁に変更され,毎日新しいものがプレイ可能だ。

○Fields of Hatred

 リリスの父,メフィストがサンクチュアリの特定の地に呪いのまじないをしたことで,人々が憎悪をむき出しにして戦うようになったという設定のPvPエリア「Fields of Hatred」が登場する。
 このエリアでは,プレイヤーはモンスターを召喚して“Seeds of Hatred”(憎悪の種)というアイテムを収集。これらを“Alter of Extraction”という祭壇に捧げることで,このPvPエリアでのみで利用可能なコスメティックス(スキン)に交換できる“Red Dust”(赤い埃)というアイテムを入手する。
 プレイヤーたちは,このRed Dustの獲得を目指してエリア内でのみ自由に戦闘できる。

○Paragon Boards

 パラゴンシステムにも少し変更があり,プレイヤーはLv50に達した時点で,「Paragon Boards」というエンドゲーム向けの成長システムが利用できるようになる。獲得したパラゴンポイントは,100種以上のタイルで構成されているボード状のスキルツリーにポイントを投資し,さらに好みのキャラクターへとカスタマイズできるという。

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シーズン制によるライブサービス化について

 合同インタビューにおいては,Piepiora氏が,「1年に4回の新シーズン」について言及しているが,これはおよそ「1年に3回」だった「ディアブロ III」よりも早いペースとなる。
 このシーズンシステムについては,8月18日に公開された公式ブログのエントリーでも言及されているが,シーズンごとに開催される「Season Journey」には,プレイヤーが新しいキャラクターを作成して参加するという,新しい要素が加えられるという。

 これは,モンスターやスキルなどのバランス調整にも変更が加えられる“シーズナル・リセット”が行われたとき,プレイヤーがその異なる状況に合わせて新しいビルトをノーマルからプレイし,以前とは異なるゲームプレイ,クエスト,チャレンジ,メタゲームなどの変化の中で試行錯誤を楽しみながら,成長させていくというものだ。

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 シーズンが終わると,育てたキャラクターは“Eternal Realms”へと移行され,そこで上記のエンドゲームコンテンツを楽しむなどしてキャラクターの成長を継続できる。これにより,これまでプレイしたことのないようなビルドを実践してみるなど,プレイヤーにとってフレッシュな環境が楽しめるのだと思われる。

 また,現状ではシリーズでは既存の「拡張パック」のシステムについては言及されていないものの,ストーリーも定期的に拡張されていくとのことなので,今後の情報に期待しておきたいところだ。

 「ディアブロ IV」はこれだけの早いペースのシーズンが続くライブサービスとなるために,Blizzard Entertainmentにとってもプロダクションへの負担が相当なものになると予想されるが,「バトルパス」のマネタイゼーションが採用されることについても言及しておきたい。
 バトルパスは「Free」と「Premium」の2つが用意されるが,「ディアブロ イモータル」ではマネタイゼーションについて大きな物議をかもしていただけに,Blizzard Entertainmentがどのように対処してくるのかも注目となりそうだ。

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Access Accepted第729回:“強奪的課金システム”で批判にさらされる「ディアブロ イモータル」に絡む背景


 モバイル向けのFree-to-Playゲームとして開発され,2022年6月1日のローンチから6週間が経過しようとしている「ディアブロ イモータル」だが,その課金システムが,過去にないほど“略奪的”だと批判を浴びている。これまでゲームを盛り上げてきた欧米のインフルエンサーたちが離れている現状をまとめて紹介しておこう。


[2022/07/11 13:00]

 今回のメディア向けデモでは,まだ粗さの目立つカットシーンやセリフ音声が用意されていないキャラクターなども少なくなかったが,一気に3体のキャラクタークラスを公開したことで,開発もかなり進んでいることをうかがわせた。
 現時点でも「2023年」のリリース予定に変更はなく,それまでに大規模なオープンβテストを行う予定であることもすでに表明されている。2023年は新たな“ディアブロ・イヤー”になりそうで,今から身震いしているゲーマーも多いだろう。

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[プレイレポ]「ディアブロIV」は,スキルツリーの復活や新システムでよりディープにキャラクターをカスタマイズできる


 Blizzard Entertainmentが2023年の発売を予定している「ディアブロIV」の,メディア向けプレビューイベントが行われた。先行プレイバージョンで,広大なフィールドに散らばるさまざまなクエストや,スキルポイントの割り振りによるキャラクターのカスタマイズ,新システムによる戦闘などを体験できたので,その模様をお伝えしていこう。


[2022/12/08 01:00]

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