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世界を席巻する日本アニメがスペインで「第2次ブーム」を迎えている | コロナ禍でロックダウン後に勢い | クーリエ・ジャポン

2019年11月、スペイン・バルセロナで行われたマンガイベントの様子
Photo: Adria Salido Zarco / NurPhoto / Getty Images

2019年11月、スペイン・バルセロナで行われたマンガイベントの様子
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Text by Raúl González

世界中で人気となっている日本アニメだが、パンデミックによるロックダウンを契機として、スペインでは最近さらに人気が加速しているとスペイン紙「エル・パイス」が伝えている。

アニメの実写版続々

金属製のガレージのドアが上がり、ブルースのリズムに合わせてサックスがシーンを彩り、室内に差し込む光が、賞金稼ぎ​​のスパイク・スピーゲルのシルエットを浮かび上がらせる。ここは、2071年の未来的な火星、スピーゲルが生まれた場所だ。

これは、「ネットフリックス」が世界に公開した1998年に初放送されたジャズのテイストを加えたSFウエスタンのカルトアニメ『カウボーイビバップ』の実写版の予告編の最初のシーン。同時期、同社は1999年から放送されている最も成功した長寿アニメシリーズの一つ『ワンピース』の実写版の配役も発表。日本のアニメシリーズは『聖闘士星矢』(1986年)以前からも存在していたが、アニメ関連のコンテンツを多くの人に届けるという同社の姿勢は、パンデミックによるロックダウンのために強まっている。


『カウボーイビバップ』の予告編







2020年には、1億2000万世帯以上が同社のアニメコンテンツを視聴。同社は同年、新しいストーリーやエンターテイメントのフォーマットを模索するため、MAPPA、 アニマ、サイエンスSARU、スタジオミールという大手アニメ制作会社と提携している。

この取り組みは、すでに提携していた5つのスタジオと6つの独立したアーティストに加えて、継続的に成長しているチームを強化し、日本のアニメーションを開拓して世界に広げていくことを目的としている。

飛躍的な成長

最も重要なスペインの配給会社の一つ「セレクタ・ビジオン」は約40年にわたり、このジャンルの映像著作権の管理に専念してきた。創業者でありCEOのホルヘ・ガバロは「この分野の成長は飛躍的です。1997年に開催された第1回バルセロナの『サロン・ダル・マンガ(註:マンガ・アニメイベント)』は来場者が約2万人でしたが、パンデミック前の2019年には16万人が来場しました」と電話で話した。

2021年は10月29日から11月1日にかけて開催されたこのイベントの入場券は1日で完売し、12万2000人が参加。ガバロはホームビデオ市場が年間20%減少した一方で、アニメは成長を続けていると指摘する。

「もちろん、プラットフォームによる消費も増えていますが、以前からそうでしたし、今もその傾向は続いています。また、関心の高まりはスペインだけでなく、国際的な現象でもあります」



2019年11月、スペイン・バルセロナで行われたマンガイベントの様子 Photo: Adria Salido Zarco / NurPhoto / Getty Images

2019年11月、スペイン・バルセロナで行われたマンガイベントの様子
Photo: Adria Salido Zarco / NurPhoto / Getty Images

このような背景から、セレクタ・ビジオンは、最も人気のあるシリーズの一つである『NARUTO—ナルト—疾風伝』(全500話)を初めてスペイン語に吹き替えたブルーレイ版を発売した。

アニメに特化したプラットフォームの「クランチロール」は、世界最大の品揃えを提供している。この2年でスペイン向けに150作品の版権を購入した。スペイン国内のコーディネーターのディエゴ・マルチネスも、パンデミックによるロックダウン以来の成長を強調。スペインにおけるこの分野の最高の時代の一つを迎えていると考えている。

「二つの段階があると思います。90年代に『ドラゴンボール』や『聖闘士星矢』などの古典がブームになった時代、そしてデジタルプラットフォームによって、日本からの最新作をどんなデバイスでも好きな場所ですぐに楽しむことができるようになった今です」

このプラットフォームの購読者数は年々増加している。「2006年にクランチロールを立ち上げて以来、100万人の会員を獲得するまでに10年かかりました。しかし、その後、わずか2年で倍増しました。そして、2020年には300万人を達成しました。この頃からすでに目覚ましい成長を遂げていましたが、2021年にはプレミアムユーザー500万人、登録ユーザーが1億2000万人を突破し、昨年来のデジタル消費の拡大が追い風となったのは間違いないでしょう」

「アニメは誰にでも受け入れられる」

オタクとは、日本語でマンガやアニメのファンのことだが、一般的には10代の若者が多い。しかし、マルチネスは「アニメは誰にでも受け入れられると確信しています」と話す。クランチロールの大半のユーザーのプロフィールは「16歳から30歳までの若いユーザーで、アニメにとても詳しく、ゲームのファン」だと言う。




これらのユーザーが最も消費するのは、特に若者向けのジャンルでアクションやアドベンチャーが多い「ショーネン(少年)」だ。続いてはラブ・コメディで、これは「ショージョ(少女)」と呼ばれるジャンルに入る。

ガバロは、ユーザーと繋がるために「彼らを知ることが大切だ」と説明する。「アニメの消費者はとても特別な存在です。何でもいいというわけではないのです。彼らは製品にとても詳しく、日本から何が発信されているのかを完璧に把握していますし、編集面でも多くの知識を持っています。アフレコで間違えると大変なことになります」と笑いながら話す。「こうした人々はコレクターで、非常に高価で精巧なエディションを購入しており、数と価格の両面で成長している市場です」

だが、国による違いもあると言う。「例えば、『マジンガーZ』は日本やスペインでは強いけれども、フランスやイタリアではそうでもありません。『ドラゴンボール』は、大ブームになったフランスに比べればスペインでは人気ではありません。これらは古典についてですが、けれどもその後は、もちろんどの国でも通用する『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』のような作品も出ました」。

シリーズの成功から発展した劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』は2020年10月に公開され、パンデミック中にもかかわらず、日本国内最高の興行収入を記録した。スペインではセレクタ・ビジオンを通じて劇場公開され、100万ユーロの大台を突破した。

「これらの映画のおかげで、今まで映画館に行かなかった人たちが映画館に来てくれるようになりました」とガバロは話す。マルチネスは、世代の変化がこのプロセスの背景にあることを指摘し、ますます多くの人々がアニメに興味を持つようになると予想している。



「これは、ソーシャルメディアのおかげです。人々は好みや趣味をシェアし、最初は少数派のように見えても、バイラルになったり、シリーズがトレンドになったりして、その結果、より一般的な視聴者に見られるようになるのです」


























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